himitsu先日書いたけど、若い女の子に薦められた東野圭吾の作品が私にはイマヒトツだったので、改めて彼の人気作品を読んでみた。いや~やっぱり凄い筆力だし、見事なストーリーテラーだと思う。彼女が薦めてくれた作品は、物語的に私には合わなかっただけなのだ。

この『秘密』は広末涼子主演で映画化もされてるらしいけど、アタシは知らなかった。
巻末に広末も感想書いてるのだが、それを読んでいてハタと気付いた。東野圭吾の凄さは筆力や物語性よりも、女心をしっかりと捉えられるところにあるんじゃなかろうか、と。表現する方法はまるで異なるけど、歌手の徳永英明に似た感性が備わってるんだろうと。

男と女の会話で噛み合わない事が多々あるのは、男が会話に結論を求めるに対して、女は協調を求める傾向が強いからだそうな。
そう言われて過去を振り返ると、納得する場面はまことに多い。今朝ですらかみさんが「××に行くには戻ればいいの?」と唐突に聞くので、「戻る? 何処を起点にして? サッパリ言ってることワカラン!」と返したら、プイッと席を離れて行った。私は新聞読んでいたんでうるさいのが居なくなってホッとしたのだが、しばらくするとiPhone持ってきて、「ホラ、この出口からだと戻ることになるじゃない!」と語気荒く言うのだった。
この時、どうせ私は新聞に没頭してたんだから、「そうだね」とでも返事をしておけばよかったのだ。思考を新聞から中断し、まともに答えて怒鳴られてたんじゃ割に合わんゾ。

男と女の会話は所詮このようなものと、もっと若いうちから理解していればアタシはきっとモテてモテてドンファンのような生活が送れていた事だろう。

さて作品に戻って……。
途中から「結末が見えてきちゃったなぁ」と思いつつ読み続け、それを見事に裏切られた。いやはや驚きの結末だった。女心が理解できなければこんな結末を考えつくはずが無い! というのがアタシの読後感想なのだが、映画の方はまた違った結末らしい。今度チャンスがあったらDVD借りてこようと思うのだった。