先週のことなのだけれど、東北地方被災地訪問後に仙台へ立ち寄った。仙台には大学時代の友人がいるので、帰宅できるギリギリの時間の新幹線チケットを購入し、落ち合うことにした。
彼と会うのは数年ぶりなのだけど、待ち合わせ場所で顔をあわせるなり互いに「なんか久しぶりって気がしないなぁ」。
そうなのだ。なんか先週も会ってたような不思議な感じ。お互いに何故だか理由がわからぬまま盃を重ねた。
彼の家は仙台東部有料道路より内陸部にあって、津波による大破は逃れたもののやはり家屋の損壊をまぬがれることは出来なかったそうだ。
学生時代から明るさが取り柄の彼なのだが、やはり相当精神的に疲れているようだった。昔とは違う弱気な言葉がいくつも飛び出してきた。私と盃を交えたことで少しは気晴らしになってくれれば嬉しいのだが、もしかしたらもっと疲れてしまったかもしれん。
話しも弾み、仙台名物料理に舌鼓を打ち、美酒に酔うちに時間はアッという間に過ぎて、危うく新幹線に乗り遅れるところだった。
指定席に座るなり、それまでの疲労も手伝って、私はものの数秒で撃沈した。そして東京駅で目が覚めたとき……。心地よい酔いが残っていた。これぞ銘酒だ。軒醒め、村醒め、県醒め。さすが宮城の銘酒だ、翌朝の目覚めも爽やかだった。
実は昨夜も島根の銘酒を戴いた。日本酒は悪酔いするので苦手と思い込んでいたのが、なんのなんの! 良い酒はいくら飲んでも二日酔いなどにはならなかった。
本当に良い酒は悪酔いしないのだそうだ。それに旨い料理と楽しい仲間が加われば、まさに県醒めどころか“国醒め”の銘酒になる。