頭から尻まで、全て空想&創作によって書かれたものもあるけど、多くの文章が〝事実〟をもとに〝主張〟されたものが多い。これが筆のたつ人の手にかかると〝主張〟部分も〝事実〟と思わせるようになる。hitosinseiそれ故に文章を読むときには注意も必要となる。思考停止状態で読んでいると、主張も事実なんだと勘違いしてしまう恐れがある。特にネットの中のものは重々注意して読まないと、事実と思わせるガセがゴロゴロしてるから、それをもとにした主張などは超危険な存在だ。

さて久しぶりに読後感想などを。
なにやらこの本かなり人気らしく、何人かから「ひと新世の資本論、読んだ?」と言われた。
昨年コロナで外出自粛要請が出た時に、数冊まとめて購入した中にこの一冊も入っていて、で、読了したのは3か月ほど前。
いま流行りのSDGsに端を発して(筆者はこのSDGsをこき下ろしてる)、気候変動や格差問題を解決するにはマルクスが晩年に辿り着いた思想に解決策があると。
私はそもそも『資本論』を読んでいないので比較のしようもないのだけど、気候変動も格差社会もすべて現代の資本主義が招いたことだと書かれている。
結論として脱成長を掲げたコミュニティ単位での活動がそれらの問題を解決してくれるという。

読んでみれば確かにその通りであるとは思うけど、それを実現するのはかなり難しいだろう。それでも今の世界を見渡せば、やらないわけにはいかない。
読んでおいて損のない一冊です。