皆よりひと足お先にエントリーしたときなどに、バディと同伴者が来るまで一人で海底で待っている、あのちょっとした時間が好きだ。
見定めた着底ポイントから見上げたときに、目に飛び込んでくる太陽光も好きだし、独りだけのこんな時に大物来ないかな、なんて周囲を見渡してちょっとドキドキしてるのも好きだ。
先日の石垣島3日目1本目のダイビングでは、わたし独りが大きなナポレオンを目撃した。彼は直ぐに去ってしまい、証拠写真も残せなかったのが残念至極だ。あとで自慢ができんではないか。
人それぞれだろうけど、私は待つことは苦にならないけど待たせることが苦手。「あ~、待たせちゃってる」と焦る気持ちが嫌だ。ほとんどの人もそうだろうと思う。だから、マンタの登場をひたすら待つのも苦にならない。中には飽きて周囲の小物撮影に没頭しはじめる御仁もいるけど、マンタも「あ~、待たせて悪いな」と直ぐに来てくれれば可愛さも倍増するってもんだ。
この日、マンタを待つダイバーは100人以上いたのではなかろうか? こんなに泡のカーテン作っちゃったらマンタも避けて通るだろうと思うんだけど、この後でこつ然と現れた。やっぱり泡のカーテンの手前でUターンしちゃったけど。
そしてマンタに逢えた興奮と共にボートに戻れば、そこには再び待つ人々がいた。
安全停止で3分間を待つダイバーたち。まるで物干しに吊された干物のようだ。
海中のみならず待たされることは多々あるけど、あみんが歌う『待つわ』のようにわたしマ~ツ~ワ、いつまでもマ~ツ~ワという訳にはダイバーはいかない。
エアーが無くなり、窒息する。