もうかれこれ6回ほど続けて海外で新年を迎えています。ところが、日本でならお寺の除夜の鐘の響きを聞きながら迎える「行く年来る年」を見逃したことはないのに、海外では皆がカウントダウンして新年を迎えるあの瞬間に居たことがありません。
でも実は10年以上昔に一度だけ、私はたった一人それを体験したことあります。それはハワイでだったのですが、「スリィ、ツウゥ、ワンン、ゼロ!」と集った人々全員でカウントダウンし、クラッカーをパン、パン!と鳴らし合って新年を迎えるあの瞬間は、とても昂揚しました。
その楽しさを私は何度もかみさんに話していました。ところがこの6年来カウントダウンをしていません。それは何故かというと、いっつも私が酔いつぶれて寝てしまうからです。
何度もその楽しさを私に聞かされているかみさん(かみさんは未経験)に「今夜はカウントダウウに参加しようね」と言われるのですが、昨年も一昨年もその前の年もそのチャンスを私が酔いつぶれて寝てしまうために逸してしまっているのです。
年が明け、朝目覚めると「なんで寝ちゃったのよ!」と、かみさんに何度なじられたことか。しかし、そのかみさん自身も寝てしまっているんですね。人のこと言えた立場にありません
まぁ、そんなことを言うと家庭内紛争が勃発しますので、そこは大人の私がグッとこらえ、「今年は必ずカウントダウンまで起きていようね」と、今回のトラギリでは二人で堅い誓いを交わしたのでした。
そしてそのトラギリでの大晦日。
ダイビングを終えてシャワーを浴び、私はいつものごとくビールをグビグビ。その時間は夕刻5時ほどでした。いつもだったらここで夕陽を眺めに浜辺に向かうのですが、この日はすぐにベッドに横になりました。適度な疲労感とビールの酔いで、「ワン、ツー、スリー!」で気絶したように爆睡です(これがホントのカウントダウン、なんちゃって)。
ハッと目覚めたら夜8時過ぎでした。普通でしたら「夕食、食べ損ねた!」と大慌てしそうな時間ですが今夜は大晦日。食事の心配はありません。
まだボーっとした頭のままで食堂に向かいました。これなら今夜こそカウントダウン前に寝潰れてしまうことはないでしょう。
生バンドの演奏を聴きながらディナーを終え、ステージ前に移動してグラスを傾けます。
夜も更けるにつれ、酔ったゲストたちがステージに上がって踊り出します。子供も踊ってます。私も踊りたかったのですが、日本人の姿が見えないので止めときました(わたし、シャイなんです)。
みんなが楽しげに踊るのを眺めながら杯を重ねていると「Let's go out everybody to seaside!」のアナウンス。みんなゾロゾロと外へ出ていきます。あれ?と思い腕時計を見ると、私の時計は既に12時を過ぎていました。
皆の後について浜辺に出てみると………。
トラギリではカウントダウンはありませんでした
みんなで「スリィ、ツウゥ、ワンン、ゼロ!」とカウントし、一斉にクラッカーを鳴らし合う、私たちが期待していた新年ではありませんでした。
それはかなり日本の「行く年来る年」的な、2011年の訪れだったのでした(泣)。
ゴ~ン!
(除夜の鐘の音が聞こえてきそうなトラギリでの新年でした)