ダイビングを始めたばかりの頃、宮古島のどこのポイントだったか忘れてしまったのだけれど、洞くつを抜けていくその途中でロウニンアジと擦れ違ったことがあった。
狭い洞くつの中を奥へと進んでいたら、体長60㎝は優に超える見事な体躯のロウニンアジが奥から飛び出して来たのだった。
ちょうど私のいる位置が一番狭い場所で、そのロウニンアジはまるで私を突き飛ばさんばかりの勢いで迫ってきたのだ。正直、恐怖を覚えた。
ダイバーがロウニンアジに襲われた…なんて話しは未だかつて聞いたことはないけれど、いままた同じ状況に遭遇すれば、きっと再びあの恐怖が蘇り、もっともっと怖い思いをするんだろうと思う。私にとってロウニンアジはまさに浪人侍、宮本武蔵のような存在なのだ。
写真はシパダンで会ったイソマグロ。
いっつも短距離ランナーのようにすっ飛んで行ってしまうのだけど、この時は悠然と私の頭上を旋回していた。これまた道場破りのような、さも「いつでも勝負するぞ!」と言ってるかのようだった。
ロウニンアジが宮本武蔵ならば、さしずめコッチは柳生十兵衛か。抱きかかえたら、きっと伊東温泉ハトヤのCMどころではないだろうな。(←意味、ワカランだろうなぁ)