aburazemi
火曜日。ちょっと早い夕飯を食していると突然けたたましいセミの鳴き声。我が食卓の至近であることは間違いなく、いったいどこで鳴いてるのかと探したらベランダの柱に止まってた。この至近距離ではその鳴き声けたたましく、テレビの音声も聞こえないほどなのだがしばらく鳴かせてやった。そもそも我が家の近所ではセミは激減してる。今年、これまでに聞こえたセミの鳴き声は2~3匹ほどだ。あと数年もすればパッタリと居なくなることだろう。そもそも人間ですら死にそうな暑さだしなぁ。

実はそのセミの鳴き声、ヒグラシの鳴き声が聴きたくなって近郊の温泉地まで行ってきた。あの ♪ カナカナカナカナ ♪ と鳴くヒグラシの大合唱が聴きたかった。ヒグラシが我が家近所から姿を消して何年になるだろう? 20年くらい?
温泉に浸かってビールを飲みながらヒグラシの鳴き声を聴いていたけど、ちょっと少なかった。ところが翌朝、やっと空が少し白み始めた頃、森林はヒグラシの大合唱に包み込まれた。猛暑日の夕方は、ヒグラシが鳴くにはまだ気温が高かったんだろう。ヒグラシは気温が高い時は鳴かない。

寝ぼけた頭でヒグラシの大合唱を聴きながら、いつの間にかまた夢の中へと再び眠り込んでしまったのだった。