根が欲張りなので、もっと美しい景色に会えるのではないか、もっと楽しいところがあるんじゃないか、と私は一度訪れたところは再訪しない。毎年行けるならきっと行くだろうけど、また行きたいと思うようなところは遠くて、そうそう簡単に行けるような場所ではないのだ。
とは言っても、仕事を持つ身で休める日数は限られているから、行ける回数と範囲は限られてしまう。
そんなわけで昨年は27年振りという歳月を隔ててペリリュー島に渡った。
海の中はやっぱり凄かったけれど、27年の歳月は別の島に来ちゃったんじゃないかと思わせるほど、島の様相を変えていた。
それは当たり前のことだと頭じゃ理解してるけど、27年ぶりに逢った初恋の人が凄まじくお婆ちゃんになっていて「昔の面影はどこに行ってしまったのだぁ~!」というような気分なのだった。
それもあって私は、美しかったところには極力行かないようにしている。
ところが来週とうとう、1年も空けずにリピーター訪問することになった。行き先はレンベだ。その理由は11月1日より羽田からシンガポールへ、すこぶる利便なフライトが就航するからだ。
羽田空港自体に地の利がある上に出発は深夜の1時近く。つまり空港に行くのも楽で就寝時間中に飛行機が目的地まで運んでくれるのだ。体力的にはきついけど、その日の内に現地に到着し、その日に潜れるってのは嬉しい限りだ。
だから私は羽田空港を東アジアのハブ空港にするってのには賛成だけど、残念ながら5年ほど遅かったね。
韓国のインチョン空港には行ったことないけど、シンガポールのチャンギ空港もマレーシアのクアラルンプール空港も、それはそれは立派だった。だいたいハブ空港を意識して建造されてるから建物それ自体が大きい。羽田がこれから同様の規模にしようとするなら、増・改築するより新たに造ってしまった方が早いし安上がりのような気がする。
羽田が国際空港化するからって慌てて成田も追随するみたいだけど、いままで何やってたんだか……。
成田空港関係者は日本から一度も海外に行ったこと、なかったんだろうか? よその国の空港見て何も感じなかったんだろうか? 今まで何考えてたんだか、実に不思議だ。きっと何も考えてなかったんだろう。ゲームでもして遊んでたに違いない。
ある人も言ってたけど、成田なんか今さら人を相手のハブ化を目指すんじゃなくて、アジア方面の物流専門ハブ空港でございます!なんてやったら面白いと思うんだが……。
まぁ、どっちでもあたしゃ良いのだ。時間的余裕を少しでも与えてくれるフライトが多くなってくれれば。
しかし………。
出発日当日は早朝から仕事の予定が入っていて、超ハード・スケジュール(休み貰うんだから文句言っては罰が当たるが…)。仕事して自宅に戻り、急いで羽田空港に向かってインドネシアまで飛び、その日のトワイライト・ダイブに間に合っても果たして潜れるんだろうか。
寝不足で到着するなりグーグー寝てしまうか、仮に潜れても足がつっちゃって泣きを見るような予感が……。しかも帰国も羽田早朝着なんでそのまま会社に直行……。仕事になるんだろうか……。なんかとっても心配……。
企業戦士バリバリ・サラリーマンや商社マンには羽田空港の国際化は間違いなく吉報だろうけど、ロートル・ヨレヨレおじさんにはなんか結局、成田発のデイタイム・フライトの方が良かった……なんてなりそうな予感もしてるのだった。
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