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肩に朝日を浴びる剱岳(つるぎだけ)です。

我が家の愚息2号が幼稚園年長組に入った頃から、家族で山登りを始めました。
「始めた」と言うと如何にも家族全員同意のうえのようですが、当初は私が強制的に山へ連行するような登山でした。

愚息たちに自然の素晴らしさを知って欲しかったのですが、幼稚園、小学生には結構な強行軍もあったので、果たして父の意図することを感じ取ってくれたかは甚だ疑問符が残ります。

目的地目前にして小川の橋が壊れていて、細引き(細い縄)を身体に結んで万が一に備えた2号をジャンプさせたら、ものの見事に川にダイビング! 
桃太郎の桃のごとくになる前に引きずり上げましたが、その後2号は、精密機械が水に浸かり壊れてしまったように動かなくなってしまいました。
ぎゃー、ギャー文句を言う2号をなだめすかして歩いていたその時にも、この剱岳が顔を見せていました。

この剱岳がある山域は殆どの山を走破したのですが、この剱にだけは登っていません。
2号が小学校に進学しても山登りは続けていましたが、登るには早すぎる山だったのです。

時にはウンともスンとも動かなくなってしまった2号を、ザックの上に乗せて下山してきた時もありました。

いつかはこの剱岳も制覇したいと思っていたのですが、1号も2号も私を連れて行ってくれるような気配はとんとありません。
悲しいかな、わたし自身の気力も体力もこの山を登り切れる自信が無くなってきています。



来月6月20日から、新田次郎原作の『劔岳 点の記』がロードショー公開されます。

せめて映画でも観て溜飲を下げようかと思っています。


上の写真を撮ったとき、ちょうどこの映画のロケ隊が下山した直後だっただけに、去年から楽しみにしていた作品なのです。
原作とはまた違った感動を与えて貰えたら嬉しいのですが。