先週の金曜日のこと。
出勤途中の新宿駅で前方から小走りで来る巨漢の男とすれ違った。
そのすれ違いざまに、巨漢男の背中にあったショルダーバッグがクルリと反転して来て私の左太股を直撃・強打した。
経験のある方には解って貰えると思うけれど、太股の筋肉を強打すると猛烈に痛い。

巨漢男のショルダーバッグは大きくて堅くて、しかも何か重い物が入っていて、その痛さたるや半端ではなかった。思わず駅の通路にしゃがみ込んでしまった。
「ちょっと待て!」と呼び止めたかったけれど声も出せない程の激痛。巨漢男の姿は直ぐに見えなくなってしまった。

痺れたような痛みでしばらく立てずにうずくまったままでいた。およそ3分ほど。時間は朝の9時過ぎで、新宿駅はまだ通勤ラッシュの時間帯。多くの人が私の脇を早足で避けていく。人によっては露骨に邪魔だと言わんばかりの顔つきですり抜けていく。
「大丈夫ですか?」の声を聞くことはなかった。

本当に冷たい街だなぁ、東京は。
自分の自慢話を書いても仕方ないけれど、数週間前に自分は電車の戸袋に手を引き込まれた女性を汗だくで助けようとしたのになぁ。

結局、私が男だからか? もしも女装でもしていれば何人かの男に声を掛けられただろうか?

それにしても週末にいつものようにグランドには出向いたけれど、満足にボールを蹴れなかった事が不愉快だ。貴重な週末を、サッカーを楽しめなかった事が腹立たしい。

東京が異邦人の集まりで怪しい人間も多いから、声を掛けない方が確かに無難だろう。たとえ私のようにスーツ姿だって安全な人間とは限らないから。

昨日あたりから痛みは薄らいできたから、今週末は楽しくサッカーが出来るだろう。雨が降らないことを願おう。

それはそうと、中田英寿が引退しちゃいました。もう少し彼のプレーを観たかったけれど、彼にしてみれば考えに考え抜いた結果だろうから「お疲れさま」と拍手で送ってあげたいな。
これで彼も、私が楽しんでいるような、彼自身が求めるサッカーを楽しみ、満喫出来るに違いない。苦しむサッカーとはサヨナラだ。