Nolimit先月、クライマー・栗城史多氏の講演会を聴くチャンスがあった。
その時のお土産に、彼の著書「一歩を越える勇気」か「NO LIMIT」のどちらか一冊を貰えるというので「NO LIMIT」をお願いしていた。
昨日、それが届いた。すっかり忘れていたのだった。

講演では彼が引き籠もりだったことや、なんで山に登り始めたのかを交えながらエベレスト無酸素単独登頂にまつわる話しなどが聴けた。
少しも悲壮感無くむしろ笑いを招く話しぶりは、極限を極めたゆえのものだと感じた。
自分も一時、登山にのめり込んだことがあるから、彼のやってきた、そしてこれからやろうとしていることの凄まじさは肌感覚でわかる。

山を登る楽しみには頂上を目指す、一番上に立つ、初ルートを切り開くなどなどあるけれど、私はすでに一般ハイカーと一緒で山自体を、頂上までの道程を楽しむことしか出来ない。

この本は彼のエッセーと写真をまとめたものだ。写真好きの私には、どの写真も素晴らしい。写真を撮るという行為は、タイミングや技量の問題もあるけれど、私は「そこに行かなきゃ撮れない」写真が好きだ。だからこの本に載る写真は、私にはまず撮ることが出来ないものばかりなのだ。B6版の小さな本だけど、載ってる写真は迫力満点! こんな写真が撮れるところに一度は行ってみたいなぁ。

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「夢は、折れなければ実現する。
 僕は身をもって証明したい。
  見えない山を登っている
    すべての人のために。」

                                    (本より抜粋)


酸素濃度は地上の3分の1。氷点下40度近くにもなる、生き物を寄せ付けないデスゾーンを単独で登り詰めた者の言葉は重みがある。