unkai


私は鉄ちゃんではないから敢えてチャンネル合わせたり、留守録するほどではないけど、テレビ朝日の「世界の車窓から」は好きだ。
ほんの5分ほどのミニ番組ではあるけれど、しばし世界旅行してる気分にしてくれる。

列車や車の窓は“車窓”というけど、飛行機の窓はなんというのだろう? 機窓か? 

私は飛行機に乗るとき、大抵は通路側をお願いする。窓側は機内の空調が足下に落ちてきて、いつも寒い思いをするから嫌いなのだ。それにトイレの際に隣席の人を立たせなくてはならないのも気疲れするから嫌だ。
しかし、時には上の写真のような光景を目にすることが出来るので窓側も捨てがたい。だから、搭乗してる時間と空路によっては窓側をお願いすることもある。

2008年。
フロリダに行った際に、その時の空路がアラスカ上空を抜けていくことを知った。北極を見てみたかったから、この時ばかりは窓側をお願いした。しかし、「右側の」という言葉を付け加えるのをコロッと忘れていて、左側の席になってしまい、結局、北極を見ることは出来なかった。
でも、アラスカ上空から見下ろす景色は充分わたしを満足させてくれた。

hyoga


普段だったらオンデマンド映画に釘付けなのだけど、この時ばかりはずっと眼下に広がる荒涼とした大地をみていた。景色はほとんど変化することなく、ゆっくりと後ろに後退していくだけなのに、見ていて本当に飽きなかった。
凍り付いた蛇行する川。真っ白に雪を被った低山の中にはヘラジカなんかが居るのかと思うとワクワクした。ときどき小さな町が見えたりもして、こんな凍てついた大地に、小さいながらも町があることに驚いた。

夜半の帰宅途上。頭上に光を明滅させながら航空機が飛んでいくのを見たりすると、「きっとあの飛行機の窓から私の町を見下ろしてる人がいるんだろうなぁ」なんて思うのだ。


手を振ってあげても見えんだろうな。