
この方、御年どのくらいか? たぶん60歳は優に過ぎ70歳も超えているかもしれない。何度かお会いしているのだけれど、会話はほとんどない。私が話しかけても最低限の言葉がはにかんだような笑顔と共に返ってくるだけだ。
いつも独り、黙々と作業をされている。この日も独り、黙々とクワで地ならしをし、キキョウの花の手入れをしていた。
上の写真は作業をひととき中断して休息してるときのもの。なんとも絵になっていたので、思わずシャッター切らせていただいた。
私はこんな人物が好きだ。
最近の政界ニュースでは与党の造反議員の話が喧しいが、アノ話題の人は思うにいつも文句を言ってるような気がする。何かを作り上げたことはあっただろうか? ぜんぜん記憶がない。その程度の人なんだろう。
上の御仁がこの山を切り開き、多くの草木を植えてきたことは、この地の人で知らぬ者は無いだろう。文句ばっかり言っていて何も出来ない人物と、寡黙なこの御仁と比較したら、どっちの人間性が上かは明白だ。
この写真を撮った直後、生理現象が迫ってきて私は陰で失礼させていただいた。
その時、大きな蜘蛛が糸を伝って降りてきて、私の肩口に降り立った。肩に乗った蜘蛛を、「顔の方に登ってくんなよ」と横目で睨みつけつつ、なんとか生理現象作業は完了し、慌てて手で蜘蛛を払った。
ヘビが出始めたという話しをしていた直後だったので、この話を同行者にしてたら、「ヘビじゃなくて良かったね。でも蜘蛛とはいえ、よく悲鳴あげなかったね」。
その会話を聞いていた寡黙の御仁、破顔一笑。
私もなんか楽しくなって、つられて笑ってしまった。