母が喜寿の誕生日を迎えた。
実はこれまで、母の誕生日を忘れることは無かったのだけど還暦も古希も、いわゆる長寿のお祝いをすっかり失念していた。
長寿の祝いを忘れていたことを数ヶ月前に知って愕然とし、喜寿の祝いくらいはちゃんとやってあげなくちゃと身構えていたのだった。

喜寿の祝いは母が好きなゴルフに温泉のセットが宜しかろうと、ゴルフ場も宿泊地も、私なりにそこそこのところを押さえた。………つもりだった。

ところが、母の誕生日である10月10日、すなわち体育の日は全国的に晴天率がもっとも高い日であるはずなのに、ナント!今年に限っては全国的な雨模様。注意報が出てる地域もあるほどの全国的な荒天だった。
朝は7時に自宅を出発。外はどしゃ降り。
「どうする? こんな雨でも(ゴルフを)やるかい?」と、わたし。
「やらない」と母。
(そりゃそうだ。私もやりたくはないが…)
わたし、ガックリ……。

数ヶ月前から段取り組んでた私としては、ここでゴルフがお流れになるとその後の台本がムチャクチャになるのだった(要はそんな状況は想定外で何も考えてなかった)。
さて、困った。
気分は母以上にメッチャ最悪なんだけど、取り敢えずゴルフ場までは行ってみようと高速道路に乗れば、ワイパーが効かないほどの大雨。私の心は大洪水。

しかし、ゴルフ場に近づくにつれて雨は小降りになってきた。そしてゴルフ場に到着すると……。

sengoku1

ドンヨリと雲は低く垂れ込めてはいるけど、ガスったり小雨が降ったりで何とかラウンド出来そうな雰囲気。

内心ホッとした。せっかく良いコースを押さえたんだし、ここで止めちゃうのは忍びない。母の顔もちょっと明るくなってきた。
そしてラウンド開始して3ホールも進むと、空はすっかり秋晴れになっきた。スタート前に「今日は一日降りそうですね」なんて言ってたキャディさんも、「アレマ! 晴れてきちゃった。良かったですね~!」と、気が付けばこの空!      

sengoku2


これこそ、母の日頃の行いの賜物だろう。

爽やかな秋の風に吹かれながら、18ホールを廻ることが出来た。
そしてラウンド終了後、近場の温泉宿を押さえてあるからと、ゴルフ場の風呂には入らずこの日の宿に直行した。
某・旅行ネットで人気No.1だという宿を予約しておいたのだ。

setsugekka


天気は回復したけれど、お宿の方は曇り空のようなメリハリの無いサービスで………。

まぁ確かに部屋もお風呂も良かったけれど、残念ながら我が家が求めるスタイルの宿では無かったなぁ。
食事も食後のラウンジも、なんともシステマチック。従業員の方々は素敵な人ばかりだったけど、お客がお宿のシステムに合わせるような宿だった。けっして大人が喜ぶサービスぶりではなかったなぁ。
ゴルフ場は良かったけど、宿はちょっとチョイスを失敗した。それでも母は喜んでくれたけど。

この日ばかりは滅多に私達との旅行に同行しない愚息たちも、強制的招集命令を発動した。愚息どもはまだゴルフをしないので、宿での集合と相成った。

さて先にも書いたのだが、この行事を行った日が記憶の片隅に残っておられるだろうか?  そう、体育の日が母の誕生日なのだ。
その日に箱根に向かってきた、かみさん&愚息たちのチケットを見ればナント! 1号車。小田急ロマンスカーの1号車といえば展望車両だ。
予約開始日に朝早く新宿駅に出向いて、この展望車両を押さえたらしい。残念ながらシートは2列目だったようだが。
ところがそのチケットを私に見せて、「でも凄いでしょ!」。




何が凄いかというと………。





そこに並んだ数字は………。

ticket



1010101010分発という、見事な数字並び。

なんという奇遇! 母の誕生日が並んでる。


これからも傘寿(80歳)、米寿(88歳)、卒寿(90歳)、白寿(99歳)、紀寿(100歳)と長生きしてもらいたい。そして、エイジシュートなんて奇跡も見せてもらいたいものだ。





.