実はそのセミの鳴き声、ヒグラシの鳴き声が聴きたくなって近郊の温泉地まで行ってきた。あの ♪ カナカナカナカナ ♪ と鳴くヒグラシの大合唱が聴きたかった。ヒグラシが我が家近所から姿を消して何年になるだろう? 20年くらい?
温泉に浸かってビールを飲みながらヒグラシの鳴き声を聴いていたけど、ちょっと少なかった。ところが翌朝、やっと空が少し白み始めた頃、森林はヒグラシの大合唱に包み込まれた。猛暑日の夕方は、ヒグラシが鳴くにはまだ気温が高かったんだろう。ヒグラシは気温が高い時は鳴かない。
寝ぼけた頭でヒグラシの大合唱を聴きながら、いつの間にかまた夢の中へと再び眠り込んでしまったのだった。