富士山が世界遺産に選ばれたことはまことに喜ばしい。独立峰としてこれほど均整のとれた山は、他にはキリマンジャロくらいなものだだろう。
しかし何でみんな登るのか? しかも世界遺産になった途端、登山客が急増してるそうな(中にはTシャツにビーチサンダルで登るたわけ者もいるらしい)。
富士山は登るより眺める山だと私は思うのだ。7合目までしか登ってない私がこんなこと書いちゃイカンとは思うけど、登る事を目的とするならもっと趣の深い山はたくさんある。「△◇◎と煙は昇りたがる」の言葉を思い出すのはアタシだけ?(失礼!)
だから、その意味では漁夫の利的に富士山と一緒に世界遺産登録された三保の松原の方がアタシ的には富士を愛でるにはふさわしいと思うのだが、なんで三保の松原までが世界遺産に登録されたのかこれまた不思議だ。富士の有志を眺むるに素晴らしい場所は、他にもたくさんある。それこそ全国にある。お風呂屋さんにだってある。

ハナハゼ@大瀬崎・一本松。ここ大瀬崎も富士山の眺めがすこぶるよろしい。但し夏場はダメなようだけど。
三保の松原といえば天女が空から降りてきて、まとっていた羽衣をその浜辺の松に掛けたといわれる羽衣の松が有名だけれど、このハナハゼはまさにその羽衣を着た天女のよう。しかし、よくよく見ればハゼ特有の受け口でカメラ向けるとギロッと睨んですぐに穴の中に逃げて行っちゃうあたり、その姿とは裏腹な、あまり可愛くない奴でもある。
この日、私がこの地に訪れた8月17日。富士はその姿をおぼろげではあったけれど見せてくれたのだった。まるで羽衣をまとったような富士であった。
