akebono
アケボノハゼ@トランベン・ドロップオフ

海に潜ると、その深度が深くなるに連れて光が届かなくなる。色の波長の関係から、一番最初に失われる色は赤だ。次いで黄色が無くなる。
海水の透明度やその日の天気によっても変わるけど、だいたい20㍍くらい潜るとそこはもう赤色の無い世界だ。だから魚を色でイメージしちゃってると探すのが困難になる。このアケボノハゼも、身体の形も覚えていたけど私は色で頭にインプットしちゃっていたから、「ホラ、あそこにいるよ」と示されても直ぐに認識できなかった。そこに居たのはアケボノハゼの形をした灰色のハゼだったのだ。

この撮影時の水深は32㍍。すでに肉眼では赤色は無い。フラッシュ撮影したカメラの液晶を覗き込み、「ア~!ちゃんと撮れてる」と認識できる。だから、イクジットしてから撮影したその他の魚たちと一緒に見ると、そのアケボノハゼの所だけ異様に赤いカットが並んでいて、とても目立つのだった。