singer前職時代、上司から「全ての文章は3行にまとめられる」と叩き込まれた。200文字×3行ではない。15文字×3行だ。どんなに長い文章も45文字あればじゅうぶん要約出来るのだと。その上司の下で一年間、写真キャプション書きをびっちりやらされた。

昨夜観た舞台『奇跡のシンガー』は、途中休憩を含む2時間半の舞台だったけど、1時間ちょっとで十分な内容だった。
唐突に出てきた演者は、きっと伏線となって最後には「なるほど〜!」となるかと期待していたが、結局何もなかった。意味のない無駄な場面作り。
主人公である薄幸の歌手・優子を好きになる音楽プロデューサーに施設介護士の由美が横恋慕するのだが、そこにいたる演出は無くあまりに唐突で、意味不明。
無駄な場面があるかと思えば、大事な演出は欠落してるという、なんともトホホな脚本&演出だった。

無駄が多い文章を駄文という(このブログもだけど)。まさに駄演な脚本・演出だった。その脚本・演出、そして音楽をやったのは甲斐智陽。昨年、土屋アンナと問題になった人なのでご存じの方もいるだろう(知らない人はググッてね)。どっちが悪いの良いのなどは書く気はないし興味も無いけど、原作者が脚本を認めなかったようなことも聞き及んだ。今回上演した内容はその原作とは別個のものなんだろうな、きっと。

それにしてもこの脚本&演出では演者が可哀想だ。役者は脚本に忠実に演じるしかないのだ。その上で演技が上手いか下手かと評価される。この脚本ではどんなに名演しても報われない。
公演はこの秋にもあるらしい。それまでに少しでも良くなることを期待して、辛辣批評書かせてもらう。