ohmon
オオモンカエルアンコウ@マラパスクア ディープロック

こいつに会うたび何時も思う。哲学者のようだと。
やっちゃいけないけれど、なんでこうもジッとしていられるのかと、ときどき指示棒などでツンツンする。すると「ウザったいなぁ」とばかりにゾロリと身体を動かす。
餌が眼前に来るのをジッと待ち続ける間、こいつは何を思っているのか?

先月、私が卒業した中学校の同窓会があった。少子化の影響をこの地も受け、我が母校も合併し当時の校名は消滅する。
そんな事もあるためか、かなり多くの同窓生が集まったようだ。私はここしばらく書きつづってるようにマラパスクアに潜りに行っていて参加できなかった。
本音を言えば出席したいが半分、在京であっても欠席したのではないかと思う気持ちが半分だ。その揺れる自分の気持ちが何故なのかよく解らない。よく解らないけれども、何となく理解してる部分もあるのだ。その場に行って何を語り合うのか見えてしまっている自分がいるからだと思う。あの頃の想い出話し以外に話すことなどないのは明白だから。
決してそれが嫌なわけでは無いけれど、語り尽くしたあとに皆と別れたその後の虚しさが耐え難い。想い出は大切だと思う。けれど悲しかったことと楽しかったことしか思い出せない。辛かったことや苦しかったことは見事に忘れてしまっている。いや、忘れ去ろうとした。忘却は人間の、ある意味素晴らしい技能なんだろうと思う。

ようやっと忘れられた事を思い出したく無いのだ。Oblivion=忘却。 
いつの日か、楽しかったあの頃のことすら忘れてしまうのかもしれない。
<