先週、26日から岩手県山田町、釜石市、陸前高田市、そして宮城県気仙沼唐桑町、気仙沼市、南三陸町、石巻市、塩釜市、亘理郡山元町と3泊4日で廻ってきた。
26日朝6時4分発の東北新幹線に乗り込み新花巻へ。そこで先発車にピックアップしてもらい各所を廻った。

その初日。

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山田町へと向かう途中、真っ白な樹木が。
どうやら霧氷が木々に張り付いたようだ。車載の温度計を見ればマイナス9度。耳が千切れそうなほど痛い。深呼吸すると咳き込んでしまう。
気温が低いためか雪もサラサラで、握っても固まらない。片栗粉のようだ。

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このあたり、どうやら遠野に近いらしい。
これだけ寒ければ河童も座敷わらしも、きっと凍えているに違いない。

再来月、被災地に桜を植樹する打ち合わせと、手編みのマフラーや雛人形を届けるのが目的だった。被災地は何処も随分と瓦礫も撤去されて綺麗にはなっていたけど、新たな問題もけっこう出始めていて、先にはまだまだ長い道のりが待ち受けていると実感した。行政の動きが遅すぎるのだ。方向性が決まらないから人々は動くことが出来ないでいる。
長年付き合っていた近所の仲間が、家が無くなったことで離ればなれになり、「絆が断ち切れてしまった」と泣きながら話される婦人もいた。

白くなった木の枝先を見たら、霧氷の結晶が、まるで身を寄せるように着いていた。
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霧氷の結晶を守るかのように新芽も頭を出し始めていた。
離散してしまった人々も、きっと新たな土地で新たな絆が生まれてくるのだろうと思う。この霧氷のように。

春は確実に近づいて来てはいるようだけど、被災地に春が来るのはまだまだ遠そうだった。

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