itamu_hito私がこの人の作品を読んだのはこれが3作品目だ。
初めて読んだのが「永遠の仔」。この作品を読んだときは正直、強烈なインパクトを受けた。この作品の最後、確かこの本の読後にも書き残したと記憶するのだけど、鳥肌が立ったのを覚えている。
その時のイメージがいつまでも残っていて、その後に全5巻の長編「家族狩り」を読んだけど、あまりに暗い物語に心はドヨ~ン 確か今回読んだこの「悼む人」が直木賞を受賞したってんで買い求めに本屋へ行ったのだけど、「単行本は高いなぁ~」でヤメ。そろそろ文庫化されてないかと本屋に立ち寄った際に、「家族狩り」を買っちゃったんだった。

そしてようやく文庫「悼む人」を先週手に入れたわけなのだけど、「永遠の仔」のような感動はなかった。
しかし東日本大震災後であり、来週には私の親友の命日を迎えるというタイミングは、読み進む内に考えされられることが何度かあって、本を閉じてしばし黙考させられてしまった。

まだ読まれていない人もいると思うので、チョロっと内容を付記しておくと、要は人の死をどのように捉えるか…ということがテーマ(短かすぎるゾ!)。
これだけでも“ドヨ~ン”の雰囲気は伝わると思うけど、この世を去った人たちがどのように死んだのか、ではなく「誰を愛し、誰から愛され、誰からどのように感謝されていたか」を知ることで残された人の心にいつまでも留まるというのは素晴らしいことだなぁ、つくづく感じた。

では、私が死んだら? 私は誰から愛され、誰からどのように感謝されているんだ?
やめときましょう、まだ早い(笑)。実は誰からも愛されてないような気もして……(泣)。(喜怒哀楽が激しいなぁ)

少なくとも私の心には今も父と親友Mくんがしっかりと残っているのだから、それでいいのダ。