独占欲が強いのか、はたまた単なるケチなのか、わたしは自分のお気に入りの店をあまり人に教えない。

かつて下北沢にちょくちょく立ち寄るカウンターだけのお寿司屋さんがあって、そのお店はサッカーのコーチ仲間でもある方が切り盛りしていた。
他のコーチ仲間や所属するサッカークラブのご父兄もいらっしゃっていたりして、居心地良いことこのうえなかったのだけど、ある時にアンアンだかノンノだかに紹介されてしまった。
以来、フラリと立ち寄るといつも満席で、渋々帰宅・・・といことが何度か続いた。満席で入れない事が度重なると、途中下車までして行くのが億劫になり、やがて行かなくなった。
一見さんの客より常連さんを大事にするべきなんだよなぁ、本当は。

まぁ、この話しは特に珍しい話しじゃないんだけど、そんなこともあって私は自分のお気に入りのお店をやたらと人に教えないのだ。別に私が教えたところで満員御礼になることはないのだけどね。要は私の秘密の場所にしておきたいからなのだ。
ところが今のご時世、いくら自分一人が秘密にしていても誰かがブログなどに書いたりしちゃうもんだから、ネット上に登場してないお店などほぼ皆無と言っていいだろう。
ptycookネット上に全然出てこない、自分のお気に入りのお店があったら、コリャ凄いと思うんだけど。

左写真の以前にもちょこっと書いたプティコックは、2階にテーブル席が2つしかない小さなレストランなんだけど、この店だって“神田 プティコック”で検索するとゾロゾロ出てくる。
わたしは好きで、何度か行ってはいるけど、ぐるナビやこんな誰でもが情報発信者になれるブログなんてものが出てこなかったらこの界隈の人しか知らず、昼時に行列が出来ることもなかっただろう。

このサイトにもリンクさせてる私の旅のウェッブページも、あるキーワードでの検索結果でYahoo!で1位、Googleでは2位になっていた。
ちょっと訳あって、そのキーワードで検索に引っかってしまうのは非常に困ることだったので、私は検索に引っかからないように、別のキーワードで検索結果が上位になるようにしたかった。ところが一度サーチエンジンに情報登録されちゃうと、なかなか検索から外れないのだと知った。ウェッブ・ページそのものを削除、もしくは他のドメインに移行しちゃうのが一番なのかもしれなかったけど、私は必死で検索キーワードの変更をトライした。

ネットという閲覧者=情報発信者というツールは、便利ではあるけどなんか「ナ・イ・シ・ョ・!」が無くなっちゃって、ちょっとつまらなく感じ始めている。
ところが先日、近所に新しく出来た料理屋に入った時のこと。お店の中はいつもお昼が遅めのわたし一人だけだった。
しばらくするとご老人が一人でやって来て、注文と一緒に「写真撮ってもいいかい?」と、板さんに聞いた。すると当の板さん「写真はご遠慮ください!」。

いやぁ、ちょっと驚いた。何故に写真を撮らせないのか言わなかったけど、ヒョッとしてウェッブに登場したくなかったのではなかろうか?
そうなると今度はわたしのような偏屈者は、「何も店内写さなくても外観撮っちゃうヨ~(^_-)-☆」なんて気持ちがムクムクと湧き起こって来たんだけど、料理が高い割に美味く無かったから紹介するのもバカバカしいし写真撮るのも面倒なんで止めた。

わたしよりもっと偏屈な野郎(この世界には特に多い)が来てたら「大して美味くもないのに禁煙じゃなくて禁撮の店!」なんて書かれちゃうんだろうな。

どっちに転んでもネット情報から隠れ通す事は至難のようだ。




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