cove第82回アカデミー賞で和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした映画「ザ・コーヴ」が、長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

ダイバーである私としては、出来うることならイルカを殺すのは止めていただきたいのだけど、地元の漁師さんにしてみれば、「じゃあ、イルカは止めて他のものを捕りましょう」ってわけにはいかんのだろうなぁ。

いくつかの報道ではこの太地町のイルカ漁を“江戸時代から続く伝統”と紹介しているけど、これは伝統じゃなくて習慣だろう。
漁に伝統はあるけれど、それは漁法が伝統なんであって獲物が伝統ではないはず。勘違いしてる。
習慣であるなら止められるとは思うのだけど、きっとそうもいかんのだろうなぁ。

日本の捕鯨に反対テロをしかけるシーシェパードは、捕鯨反対が目的では無く営利目的でやってるとしか思えないが、この映画は何を言いたいのだろう? 観る気はサラサラ無いけどね。

むかし近所に飯場があって、そこで働く人が野良犬を殺しているのを何回か目撃したことがある。まだ幼稚園か入園前の事で、とてもショッキングな光景だったけど、あれは間違いなく犬を食すためだったと思う。
今では日本で犬を食べることは無いだろうけど、世界の何処かじゃ、お隣の国も多分、いまだに犬を食べているだろう。
アマゾンでは猿を食べるし、アラスカでは鯨(それと昔はシロクマも)が一番貴重な食料のはずだ。

なんで日本だけにいちゃもんをつけるのか? 人の国の文化にアーダ、コーダ言ってないで自分の国を振り返ってみろ!スカポンタン!
それともう一つ不愉快なのが、日本公開では映画に映る太地町の人達は顔にモザイクがかけられるそうだ。太地町の人達がそうしてくれと言ったのだろうか?
隠し撮り故の配慮のような気がするのだけど、だったら上映しなけりゃ良いのに。
太地町の漁師さん達も、イルカ漁が自分たちの文化だと自負するなら、堂々とすればいいと思う。もしもそれが出来ないと言うなら心の何処かに呵責があるということになってしまう。

それにしても相手の文化を知りもせずに自己の主張を強引に発信することの、なんと愚かなことか。