96b1913d.jpg


人に見送られるとき、船での別離が一番辛いなぁ。
如何せん速度が遅いから、送る方も送られる方も長い間手を振ってなくちゃならない。

「だからいいんじゃない!」と言われたことがあった。

学生時代、与那国島に居たときに週に2便ほどあった船の見送りを毎回やっていた。
船が離岸すると海に飛び込んで追いかけ、立ち泳ぎで手を振ったりもしていた。

今度は自分が離島する番となり、その見送りに「いつまでも手を振ってなくちゃいけないから辛いな」と言った私に、隣に居た女性が私に言った言葉だ。

彼女のその言葉を、名残惜しいからいつまでも手を振っていられて良いじゃないか、ということだと私は解釈した。

しかし、その時に言った私の「辛いなぁ」は手を振り続ける事ではなくて、別れそのものが辛いから、早く船室に逃げ込みたいという意味だったのだ。




今じゃ電車の窓から身体を乗り出して手を振る光景も見なくなった。
注意される以前に窓が開かないもんなぁ。

空港では別れがセキュリティ・ゲート前だから、哀愁も悲しみもあったものじゃない。

「じゃあなぁ~! 元気でなぁ~!」
「万歳~! 万歳~!」
と見送られてゲートをくぐったら、
ブ~!と警報が鳴って「はい、もう一度お願いします」。

送る方も送られる方もドッチラケだ。
いや、むしろ爆笑で送り出せて良いのかも。

そう考えれば、やっぱり船での別離が一番なのかもしれないな。現に未だに上の写真の光景は脳裏に焼き付いてるから。
エルニドでのスタッフのお見送り。この時もいつまでも手を振ってくれていた。お別れの歌と共に。












…………以下、余談です…………




前職時代、残業、残業、また残業、そして出張と続き、一週間ほど息子と顔を合わせない事があった。

久しぶりに帰宅し一緒にお風呂に入って食事をした。
翌朝。
かみさんと一緒に見送りしてくれた息子は「行ってきま~す!」という私に、






「また、来てね~!」