その日のお昼過ぎ、わたしは滞在中に予定していたダイビングを全て終え、まったりとした疲労感と満足感に包まれていた。

午後にも潜ることは出来たのだが、翌朝に飛行機で離島することを思えば午前中のダイビングで終えておくべきだし、折角の休暇をもう少しノンビリしたかったこともあった。

とは言うものの機材を洗いベランダに干し、ビールを飲んだら一気に気怠いアンニュイな疲労感に襲われ何もしたくなくなった。

「そうだ! マッサージなんかどうだ?」

フト思いついたこの考えを、今の疲労感&倦怠感に襲われ始めた私には消し去る事は出来なかった。

ホテルの部屋を出てギラギラ照りつける太陽光線にジリジリと肌を焦がされながら、私は⇒SPAの看板を辿り、小道を歩いていった。

ひんやりと冷房の利いた部屋に辿り着き、メニューを見たが種類が多過ぎ、しかも倦怠感に全身を覆い尽くされた私は英文の説明を読むのも億劫だった。

そばにあった鉛筆をコロコロしてコースを決め、フトコロ具合と相談して時間を決めた。
「フッフッ。コレデカンペキダ」。


  
        のはずであった。



まず木桶に汲んできたお湯で足を洗ってくれた。
次に紙ヤスリのようなものでかかとをゴシゴシ削られた。(わたしはバルサ木材ではないゾ!)
次はスクラブで膝下から足の裏までゴシゴシされ(ちょっと痛いゾ!)、再びお湯で洗われた。

私の心の中の不満の声が聞こえた。

「わたしの足はキュウリじゃない!
         塩なんかで揉むな!!」
  と。

足裏も塩で擦られたが、くすぐったくてたまらんかった。

その次には白いセメントみたいなものを塗りたくられた。

























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ちょっと待て!
 
まさか脱毛するんじゃなかろうな!


足の付け根から抜かれるならまだしも、膝下だけ脱毛された日には部屋からウェット・スーツ着ていかなきゃならなくなるだろ!

「止めてくれ~!」

と言おうとしたら、
「私はちょっと席を外すが、このまま15分待て」とマッサージ嬢はさっさと何処かに行ってしまった。

オイ、オイ! この部屋はオープンで人が目の前を行き交っているではないか!
わたし一人をさらし者にしておいて何処に行こうっていうのダ!




することも無く、好奇の目から避けるために私は寝ることにした。


足を持ち上げられて目が覚めた。

再びお湯でこの奇怪な白いノリのような物を洗い流され、「υφξεγωオイルだ」と訳のワカランものを塗り込まれて、

フィニッ~~シュッ!

オイ、コラ。これで終わりは無いだろ!
わたしが求めていたのは足裏の指圧だよ。

どうやら選択を誤ったようだ(T.T)






みなさん、説明書きはちゃんと読みましょう。
そして……、新宿三丁目でお目にかかりましょう……(号泣)。