「我ら海の子展」授賞式におじゃましてきました。

受賞した総勢50名ほどの子供たちが日本全国から集まっていました。
中には午前中遊んでいてそのまま来たような子供もいたけれど、殆どの子がおめかししていました。

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壇上に上がるときも緊張していて、なんとも微笑ましい姿です。
そんな子供たちを見ていて、フト自分の幼少の頃の事を思い出しました。

何歳だったか、何の式典だったか忘れたけれど、わたしもおめかしさせてもらった事があります。
サスペンダー付きの折り目の付いた半ズボンに白いブラウス、蝶ネクタイ。そして白いハイソックスに革靴。

よほど嬉しかったのか、私ははしゃぎまわっていました。

ところが途中から、猛烈な足の痛みで泣き出したのです。

新品の革靴で走り回ったものだから、足に靴擦れが出来てしまったのですね。

以来、わたしはその靴を履きませんでした。

1年もしないうちに私の足は大きくなり、その靴は自分の意志で履かないのではなく、物理的に入らなくなっていました。

結局、一度しか履かなかったのです。

靴を捨てるときに母が、

「とっても高かったのに一度しか履かないで、なんてもったいない。もう二度と革靴は買ってあげないから」。


その時の私としては革靴など二度と履きたくもなく、願ったり叶ったりだったのですが、その母の言葉は少々堪えました。

でも、母上。
今では毎日革靴で通勤し、その靴は1年ほどで壊れています。

ところで、話しは授賞式に戻ります。

その受賞した子供の中にプラダーウィリー症候群という病に冒されている少年がいました。
この病気は染色体の異常が原因だそうで、 基礎代謝や運動機能に障害が出たり、感情のコントロールが出来なくなったりするそうです。

受賞した少年は文盲だそうですが、せめて絵でも描けたら…とご両親が始めさせたところ、今度の受賞になったのだそうです。
ご両親の受賞に際しての手紙が会場で読まれたときには、思わず目頭が熱くなりました。

行儀良くきちんと座っていた彼は、靴擦れすることもなく、この日の事を一生忘れないだろうと思います。