ダイビングのガイドって本当に大変なんだなぁ…ってつくづく実感させられました。

今回、メキシコのセノーテという淡水地底水路のダイビングをしたのですが、その際にお世話になったのはマリアナという女性ガイドでした。

「オッ! なかなかの美人ジャン!」なんて握手を交わした際にはちょっと嬉しかったのですが、ダイビング前のブリーフィングが始まるや、彼女のちょっと厳しくナーバスな話しぶりに“せっかく美人なのに取っ付きにくいなぁ”と感じたのでした。
実際1本目のダイビングが終わったときに、同行者が指示されたことを忘れて怒られていました。

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こんなのを見ちゃうと、ガイドをお願いしてるこちらとしてはビビッちゃうんですよね。

小心者の私なんかは、そんなガイドの存在に気を取られちゃって、肝心のダイビングを満喫出来なくなっちゃうんですね。
今回も少し気を使っちゃいました。(そのためでは無いでしょうが、足がつって困りました(-_-;) )

ところがダイビングを終えてホテルに帰り、再びショップに行った時に彼女と会うと、今度は別人みたいだったのです。
とても素敵な柔らかな笑みを浮かべていて、まるで別の女性のようでした。

彼女は推定身長が150?そこそこの小さな身体なのですが、ダブルタンクを背負い、万が一のために予備のウェイトを始め、ライトなどの機材も二人分を装備して潜っていました。

セノーテは、ところどころ地上から太陽光が差し込むとはいっても、地下水路の中はほとんど真っ暗です。しかも一般ダイバーが入ったらまず出てこられない岐路が幾重にも延びて迷路のようになっています。

もしも誰かのライトが故障すれば何処にいるのか判らなくなります。
もしも勝手な行動を取るダイバーがいれば間違いなくロストするでしょう。
ロストすれば再び地上に戻すのは至難の業です。
そんな水中を案内するのですからナーバスになるのも当然だなぁ、と実感したのです。

彼女の本当の素顔はショップでの帰り際に見せてくれた、あの笑顔の方なんだと思いました。

かつてバディと5?ほど離れただけで怒ったガイドがいて、“そこまでガタガタ騒がなくてもいいだろ!”なんて腹の中で怒っていたこともあったのですが、それは他人の命を預かるガイドとしての自覚がさせた事なのだと思います。
今回も、彼女がダイビング前に見せていた、あのピリピリした雰囲気は、これから自分が行う仕事に対する気持ちの表れだったのでしょう。

私なんか、そんな自覚以前にダブルタンクを背負って洞窟入り口の階段を登り降りする体力すらありませんが……(-_-;)