タカラガイの独り言

ちょっとした出来事やダイビングや旅のことなど徒然に。

2011年10月

sumi


さて、上の画像はいったい何でしょう? なんて言っても分かるワケないっすよね。
これはタコの墨です。

岩礁の中に隠れていたタコを発見し、ウリウリと指示棒で無理矢理岩礁から引きずり出したら(私がやったのではありません、念のため)、バフォッ!と墨を吐いて逃げていきました。

この時わたしは思わず「絶好のシャッターチャ~ンス!」とばかりにシャッターを切ったわけなのですが、残念ながら装着していたのはマクロレンズ。こんなんカットしか撮れなかったのです(涙)。
かなり大きなタコだったので、広角レンズを着けていれば面白いカットが撮れていたんですが、ほんとうに残念至極です。
こんな時のために、カメラ2台抱えて潜るダイバーがいるんですね。私もこれからはBCDのポケットにもう1台しのばせて潜ろうと思います。

この時、いつまでも海中に漂うタコの墨を眺めながら、「イカスミ料理はあるのに何でタコスミ料理はないのか?」考えてました。
そんなこと考えてたことも忘れて数ヶ月。一昨日、たまたま入ったイタリアン・レストランのメニューに“イカ墨パスタ”の文字をみて思い出したのです。
で、調べてみましたら……。なんの事はない……。
タコの墨もイカの墨も成分的にはほとんど一緒だそうです。だから料理にも利用可能なんだそうですが、イカは水揚げされても墨が残ってるので集めることが可能だそうです。しかしタコの方は殆ど残っておらず、しかも加工されて送られてくるものが多いので墨の入手が困難なんだそうです。

要はタコの墨が手に入らないだけのことのようです。今度海中でタコが墨吐いたらビニール袋に入れて持ち帰ってみたいです。タコ墨パスタのお味はいかがかと。

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ごめんよ、タコ君。
私はジッと君を見つめているだけで満足だったのに、あの人が強引に君を………(嘘八百。ホントは食べたかった)。




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先週のことなのだけれど、東北地方被災地訪問後に仙台へ立ち寄った。仙台には大学時代の友人がいるので、帰宅できるギリギリの時間の新幹線チケットを購入し、落ち合うことにした。
彼と会うのは数年ぶりなのだけど、待ち合わせ場所で顔をあわせるなり互いに「なんか久しぶりって気がしないなぁ」。
そうなのだ。なんか先週も会ってたような不思議な感じ。お互いに何故だか理由がわからぬまま盃を重ねた。
彼の家は仙台東部有料道路より内陸部にあって、津波による大破は逃れたもののやはり家屋の損壊をまぬがれることは出来なかったそうだ。
学生時代から明るさが取り柄の彼なのだが、やはり相当精神的に疲れているようだった。昔とは違う弱気な言葉がいくつも飛び出してきた。私と盃を交えたことで少しは気晴らしになってくれれば嬉しいのだが、もしかしたらもっと疲れてしまったかもしれん。

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話しも弾み、仙台名物料理に舌鼓を打ち、美酒に酔うちに時間はアッという間に過ぎて、危うく新幹線に乗り遅れるところだった。
指定席に座るなり、それまでの疲労も手伝って、私はものの数秒で撃沈した。そして東京駅で目が覚めたとき……。心地よい酔いが残っていた。これぞ銘酒だ。軒醒め、村醒め、県醒め。さすが宮城の銘酒だ、翌朝の目覚めも爽やかだった。

実は昨夜も島根の銘酒を戴いた。日本酒は悪酔いするので苦手と思い込んでいたのが、なんのなんの! 良い酒はいくら飲んでも二日酔いなどにはならなかった。
本当に良い酒は悪酔いしないのだそうだ。それに旨い料理と楽しい仲間が加われば、まさに県醒めどころか“国醒め”の銘酒になる。





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近所で祭りをやってるというので、天気も良いことだしフラリと行ってみた。
神社までの商店街を抜ける細い道には人が溢れかえっていた。アタシャ、人混みは苦手なので、このままUターンして家に戻りたくなったのだけど、何十年も今の土地に住んでいながらその神社に行ったことが無いことに気付き、人混みを縫うようにして神社を目指した。
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しかし人で溢れかえる商店街に、子ども御輿がやって来ると、もうほとんど先に進めなくなったのだった(泣)。
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ようやっとお目当ての神社に到着すると、再び人の山。幕末の志士たちに扮した寸劇をやってた。この神社には吉田松陰の墓と、彼が開いた寺子屋・松下村塾(しょうかそんじゅく)があって、その松下村塾の門下生には高杉晋作や伊藤博文がいる。
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上の写真がその松下村塾。matsuri5

吉田松陰はその後、安政の大獄をおこした井伊直弼により斬刑に処され30歳という若さでこの世を去ったのだが、その彼を死に追いやった井伊直弼の墓が、彼・吉田松陰が眠るこの神社から1㎞ほどの所にあるというのも皮肉なものだ。

この「萩・世田谷幕末維新祭り」、今年で20回目らしいのだが、萩と世田谷って姉妹都市なんだろうか? 世田谷に住んでながらワタシは知らん。
















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18日の夕刻より2泊3日で岩手・宮城県をまわって来ました。
その出発の日。大渋滞の首都高速の向こうに夕陽をバックにしたスカイツリーがありました。思わずシャッター切ってました。
このスカイツリー、武蔵(ムサシ)のゴロに合わせて高さ634㍍あります。世界一を目指したようですが、残念ながらドバイのブルジュ・ハリファは828㍍です。スカイツリーは世界で2番となりました。民主党・蓮舫議員の言いつけをちゃんと守ったことになります。
1番の方が良いに決まってはいるのですが、2番であっても肝心なのはこれが何のために建てられたか、でしょう。ゴジラ登場で破壊されるシーンにしか出てこないようなのは困りものです。

さて破壊というと、今回東日本大震災の被災地を回ってきたわけですが、あの巨大地震の破壊力は本当に凄まじいものだと実感します。
ようやっと少しは人間らしい生活が出来るようになってきた被災地ですが、まだまだ普通の生活を営むには遠い道のりが目の前にありました。
その道のりを遠くしてしてしまっているのは、全て行政が遅れているからです。私が見聞きした感覚では、被災地がちゃんとなるにはあと5年はかかりそうな感じでした。それじゃぁ、長すぎます。頑張っても頑張っても生活が改善されないことは、国が国民に拷問を与えてるようなもんです。
東北の方々は我慢強いからまだ爆発しないで頑張ってますが、私だったらウォール街でのデモのように、仲間集めて陳情デモ起こすでしょう。

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上の写真は岩手県陸前高田町の竹駒駅。何もかも流されて原野みたいになってしまった地に、錆び付いた線路が延びていました。
復興のスピードだけは1番を目指して欲しいです。









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あまり良い写真ではありませんが、ダテハゼです。ヒメダテハゼかと思うのですが自信がありません。なんで名前もハッキリしないボケ写真を載せたかというとサッカーの事を書こうと思ったからです。目がサッカーボールみたいでしょ? それで………(^^;)
この前のサッカーW杯予選のタジキスタン戦は、中盤であれだけノーマークでプレーさせてもらって8点しか取れなかったってのは、ちょっと寂しい気がしますが皆さんはどう思いました?

ところで………。

ときどき頼まれてサッカーの審判をやることがあります。自分としては下手な方だとは思わないのですが、それでもゲームの中では時にジャッジに悩むプレーがあるものです。
そんな時はいったん笛を吹いてプレーを止め、腕のタイマー時計も止めて副審(かつてはラインズマンと呼ばれてた)に相談するのがベストなのですが、それもなかなか出来ないものなのです。

先日、多摩大目黒と帝京高校の試合でちょっとしたハプニングがありました。
ここでその時の映像を見てもらった方が良いのですが、サッカーに興味のない方もいると思うので、何が問題になってるかを先に書きます。
帝京高校が1点ビハインドでタイムアップ寸前の時、多摩大目黒のペナルティ・エリア内で帝京高校に間接フリーキックのチャンスが生まれます。その前にキーパーチャージされてるので、本当なら多摩大目黒のフリーキックで試合は続けられるべきなのですが(これもミスジャッジ)、多摩大目黒はこのピンチをしのぎます。そして、その直後にタイムアップのホイッスル。
ところが……。その後、どうしたわけか主審は再度間接フリーキックのやり直しをします。やり直しで得点し同点に追いついた帝京高校は、その後のPK戦で勝ち、危うく初戦敗退を逃れたのでした。
実は私もすっかり忘れていたのですが(汗)、主審がタイムアップの笛を吹いたらその後はいかなるやり直しも出来ない、とルールブックにはあるのです。
この時の主審は試合終了の笛を吹いた後に副審の旗が上がってるのを見て、再度やらせたわけです。と言うことは、この主審のみならず副審も、そのルールを知らなかった(もしくは忘れてた)ってことです。

いやはや、こんなゲームの審判は嫌だなぁ。その前のキーパーチャージを取っていればガラリと流れも変わってこんな問題は起きなかったでしょうが、私も笛を吹いてたら同じミスを犯したことでしょう。




ちょっとネタ切れにつき、最近あった知る人ぞ知る話題を取り上げてみました。

今日の夕刻から東北地方に向かいます。








ちょっと古い話しになってしまって恐縮なのだけど、夏休み貰って潜りに行ったサイパンの、トラブルで延泊した翌日のこと。
ひょんな事で一泊増えた滞在を楽しもうとしたのだけど、猛烈な雨風で何も出来なかった日のことだ。何も出来ないのは私だけのことではなくて、サイパン滞在者みんなに言えることなのだけど、だからかどうか分からないけれど、普段は夜にしかやってないタヒチアンダンス・ショーを真っ昼間に、しかもホテルのメイン・ロビーでやっていた。


お尻フリフリが好きな私はしばし、ダンスに魅入っていた(KARAよりコッチの方がいい)。
一般客が引っ張り出されていたけど、きっと韓国の人だろう。日本人はこのテのことに、とんとノリが悪い。

この時、最初に踊っていたお姉さんは、袖口、いや柱の脇に片膝で待機していたのだけど、その時のお姉さんの笑顔があまりに素敵で、思わずシャッターを押していた。

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彼女にとって、このダンスを踊ることが本職なのかアルバイトでやってるのか知らないけれど、こんな笑顔をまき散らしながら仕事が出来るって、とても素敵だと思ったのだった。ガード下の居酒屋でクダを巻くサラリーマン達も、少し見習うべきだと思ったのだった。

ファインダー覗く私もつられて笑顔になってた。きっと周りのお客さんも笑顔だったにちがいない。




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谷川岳・一ノ倉沢の雄姿を見たくて、急きょ前線基地として宿泊できたのが湯宿温泉だった。ここからでは谷川岳麓の土合駅まで30分はかかるから、出来れば水上周辺の温泉地に停まりたかったのだけど、そっち方面は人気の温泉地とあってか連休で満員御礼状態。しかし、湯宿温泉も行ってみればなかなか風情があって、良い温泉町だった。

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まるでタイムスリップしたかのような雑貨屋兼郵便屋さん。そしてほとんど若者の姿を見かけない石畳をあるけば、共同浴場がそこかしこにあった(4つあるらしい)。

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なんでこんな小さな赤い郵便ポストがデンッ!と浴場施設の真ん前に鎮座してるのかと思ったら、入浴料金投函用のポストだった。入浴料は100円也。無人だそうだ。出来れば入ってみたかったのだけど、手ぬぐい持参でないとダメらしいのであきらめた。しかし、ジーンズのポケットにはバンダナがあったので、その気になれば入れたのだけど……。

ひっそりとした町中では一組のカップル温泉客、釣りに来たというオッサン、独り旅らしき女性、そして地元のおじいちゃん二人とお婆ちゃんにおばちゃんとしか会わなかった。そのお婆ちゃん、一番風呂に入りに来たようで、こんな明るいうちから洗面器もって歩いてた。

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な~んか、ほのぼのしてて良いなぁ。入浴後は腰に手を当てながら牛乳飲めたら最高ですな。アタシは缶ビールだけど。
そんな事思いながらカメラのシャッター切ったら、胡散臭い奴と思ったのか、一度は戸を閉めて中に入ったお婆ちゃん、再び戸を開けてアタシを見てた(汗)。そんなに人相悪くないと思うんだけどなぁ。もしかして一人で入るの淋しいから一緒に入って欲しかったんだろうか?

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町の裏手の山の上にも何かあるというので、やっこらヨッコラ登ってみた。町が見下ろせる場所を期待して行ったのだけど、木が生い茂っていて無理だった。少し伐採してくれれば眺望も良いだろうに。
うっそうとした林の中には、何やらちょっと恐ろしげな石仏などもあった。

sekibutsu1時間ほど町中を散策して宿に戻り、湯に浸かって帳場でドライヤーを借りようとしたら、まるでここに書いてくれと言わんばかりのハプニングに遭遇した。

アタシ 「ドライヤー貸してもらえません?」
宿の婆ちゃん 「ドライヤーね。何処だったかなぁ?」

と、帳場の裏側に回りアタシにコッチへ来いと手招き。そして何やら木箱を持ってきてガサゴソ。(この時点で変だと気付いた)

宿の婆ちゃん 「あった!あった! はい、どうぞ!」

手にあったのはドライバー
きっと理解してもらえんだろうとは思いつつも、

アタシ
「お婆ちゃん、私のオツム濡れてはいるけど、まだそんなに緩んでないんだけどなぁ」。
宿の婆ちゃん 「ン? …………?」

konyoku泊まった宿は湯治専門のようなお宿で1泊2食付きで5500円という格安お宿・大滝屋旅館。泉質はサッパリとした湯で、わたし好みの温泉だった。谷川岳に行くことが目的で、翌朝も特別に朝食を早くしてもらったというのに朝風呂にも入ってしまった。都合3回の入浴。温泉地に来たときは最低3回は湯に浸かるのが私の流儀なのだ。
決して混浴だからでは断じてないことを付記しておく。








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一ノ倉沢に行ってきた。
学生時代、ワンゲルの同僚がパーワン(パーソナルワンゲル)でここを登り、私に「凄いゾ!見事だゾ!必ず行った方がいいゾ!」と言っていたのだが、行く機会に恵まれず30年が過ぎてしまった。

その後、『クライマーズハイ』など何度か小説でこの場所が描かれるのを読むたびに「行きたいなぁ」の思いはつのるばかり。何度か行こうとしたのだが、結局なんやかやで行けず、先月も泊まってみたかった温泉宿を予約し、行く予定を立てていたけど台風でドタキャン。つくづく谷川岳には縁が無いものと思ってた。

rute先週末の土曜日。朝起きたら見事な快晴だった。
私は足を痛めていて、3連休だったけど何の予定も入れていなかった。まだ左の膝と足首に鈍痛が残っていたけど、一ノ倉沢出合くらいまでなら歩けるだろうと行ってみる気になった。しかしさすがに連休とあって宿はどこも一杯。
谷川岳にはちょっと離れているけど、湯宿温泉になんとか空きがあったので、ドタバタと山の用意をして昼過ぎに家を出た。
湯宿温泉という存在を私は知らなかった。これをユジュクと読むことも出来なかった(重箱読みのユヤド、かと思ってた)。この温泉も意外な発見があって面白かったのだけど、そっちの話しは後日に。

谷川岳は世界で一番遭難者が多いという悲しい記録を持つ山だけど、それはこの山へのアプローチが簡単だからだろう。ロッククライミングの経験はないけれど、衝立岩から衝立岩中央稜、衝立岩北稜そして烏帽子岩へと向かうルートは、素人目にも容易いものではないことは分かる。そんな山へのアプローチがこんなにも簡単なんだから、訪れる登山者も多くなるだろうし、そうなれば当然、遭難件数も多くなるだろう。

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圧倒的な迫力を眺め、帰路は新道ルートへ下って湯桧曽川沿いにロープウェー乗り場へと戻った。

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上の写真は国道ルート。途中には国道の面影を残す石垣が散見された。
そして下の写真が新道ルート。

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次回、もしも機会があれば今度は足も元気なときに山頂を踏んでみたい。

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海中の浮遊物が写り込んでしまってバッチイ写真になってしまいましたがウミシダです。
一見植物のように見えますが動物でして、ときどき海中をウラウラと泳いでいるのを見かけることもあります。
なかなか根性ある奴でして、知らぬ内にウェットスーツなどに張り付いてボート上に潜入し、密入国を企てることもあります。

なんでこんなバッチイ写真を載せたかというと、数日前から駅前で「赤い羽根共同募金にご協力、よろしくお願いしま~ス!」の姿を見かけたからです。なんか赤い写真はないかいな?と探したら、こんなんしか無かったのです。 m(_ _)m 

ひと昔前(10年ほど前ってことです)までは、赤い羽根を胸に付けるのが恥ずかしくて募金だけしていたのですが、その募金がどのように使われているかを知ってからこの方10年ほどは、10円すら入れてあげることは無くなりました。赤い羽根で黒いことやってるんじゃないかと勘ぐられるような人がいそうなので。

ボーイスカウトやガールスカウトのおちびちゃん達が、声を枯らして連呼してる姿を見ると可哀相でしかたありません。あんなに声を枯らして頑張ってますが、その羽を胸に飾ってる人の姿もめっきり見かけなくなりました。国会議員の方々くらいしか。それもな~んか不信感抱かせるんだよなぁ。










昨夜は雨の中を国立劇場まで出向いた。
国立劇場の中に入ったのは、小学校時代の歌舞伎観劇以来だった。およそ私が足を運ぶことは縁の無いであろうこの劇場なんだけど、昨夜は知人の頼みで地唄、舞、囃子、長唄といった、日本の伝統芸能を観に行ったのだった。

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興味は無かったと言えば嘘になるのだが、今まで一度も観たこと・聞いたことがなかったので、知らずして語る無かれをモットーとする私は(←ウソ)、「一度くらい観ておいても良いだろう。寝ちゃうかもしれんけど」と雨の中を半分嫌々で出向いたのだった。
頂いたパンフレットには、
唄・三弦=人間国宝 富田清琴  囃子・鼓=人間国宝 堅田喜三久  唄=人間国宝 宮田哲男
と、なんだかこんな機会でもなければご尊顔拝めることもないような方々のお名前があった。
白状すると途中でちょっと舟を漕いでしまったけど、やっぱり迫力は伝わってきた。

昨年は初めて能に接したけど、能も歌舞伎もこの長唄や地唄、舞などという日本の伝承文化は、日本の財産だと思う。これらの文化が途絶えることなく、いつまでも残っていて欲しいと思う。
きっと私もあと20年くらい年齢と人生経験を重ねれば、これらの良さが判るようになると思うのだ。いや、そうなりたいと思うのだ。



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何度かレック(沈船)ダイブも経験したし、ケーブ(洞穴)ダイブも経験した。そして当然ナイト(夜間)ダイブも。どのダイビングでも予備の水中ライトを携行している。しかし、かつて私は予備ライトを持たなかった。ある経験を境に持つようになった。
始めてテクニカル・ダイブ(減圧潜水)をやったヴァヌアツでのことだ。名物ポイントのプレジデント・クーリッジに潜った際に、同行したダイバーのライトが水中で「ボンッ!」という音と共に点灯しなくなった。同行ダイバー氏は予備のライトを持っていたけれど、もしも予備ライトが無かったら暗い船内でパニックものだったろう。それを見て以来、私のBCDポケットには予備の小さな水中ライトが入ってる。

昨日、ジェームズ・キャメロン監督作品の『サンクタム』を観てきた。
作品内容からして、どうしてもロードショーで観たい映画だったので、前夜のうちにネット予約をしたのだけれど、座席予約ページを覗くと埋まっていたのはたったの4席。その時点で「きっと面白くないんだろうな」とは予感がしたけど、やっぱりワイドスクリーンで観たかったから予約して出向くことにした。

日曜日だというのに六本木ヒルズの映画館は半分も入っていなかった。結果として、やっぱりその客の入りがうなずけるような作品ではあった……
実話の映画化だそうで、それを思えば映画ストーリーは背筋がゾクゾクする内容ではあった。3年前、メキシコの地底水路・セノーテを潜ったけれど、この映画を観た後だったらきっと、相当ビビリながら潜ったに違いない。それほど、闇と洞窟でのダイビングは恐ろしいと認識新たにした。

沈船ダイビングでは「船が傾くんじゃないか」とか、ケーブでのダイビングでは「岩が崩れてくるんじゃないか」とか常に頭の片隅にあったけど、そこにエアー切れの思考は働いていなかった。しかしよくよく考えれば、何が一番怖いかといやぁ、やっぱりエアー切れだ。その次が闇だ。自分の指先も見えないような、真の闇の中で減っていくエアー。想像しただけで恐ろしい。
ちょっと沈船や洞窟に潜る気持ちが萎えた。しばらくは遠慮しておこう。





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